怖い話

海水浴



俺はバイト仲間5人と海へ行くことにした
しかし、海岸は物凄い人で、とても遊ぶことが出来ず、
俺達は目的をドライブに半ば無理やり変更し
海辺の道路をひたすら走っていた。







すると友人のYが「あれ?この辺り人全然いないよ」と言った
見てみると確かにこの辺りだけ人がポカンとおらず、5人で遊ぶなら丁度いい広さがある
浜に降り、ビーチバレーをしたり砂のお城を作ったりと楽しい時間を過ごした
するとYが「私元水泳部なんだー
あのブイまで泳ぎきったらかき氷おごってね!」と言い出した






俺が返事をするより早く海に飛び込むY
なるほど水泳部だけあってか綺麗な泳ぎでブイまでたどり着くY
沖で大きく手を振るY
俺達も浅瀬から手を降って返すが、どうも様子がおかしい





「あれ!?溺れてるんじゃない!?」誰かが叫んだ
確かに今にも沈みそうだ!俺達は急いで救助に向かった
しかし、水泳部のYと違い泳ぎの遅い俺達は中々たどり着くことが出来ず
代わりにYは今にも沈みそうに・・・





「おかしい・・・」
そう思った俺は水中に潜った、するとそこにはYの身体にしがみ付き、
引き込もうとする黒い影が無数に蠢いていた!!






このままじゃ俺達も・・・
そう思った瞬間、大波の向こうから一人のサーファーが!!
寺生まれで霊感の強いTさんだった!
Tさんは板を華麗に操りYを抱き上げるとそのまま波に乗って陸地へ
「破ぁ!!」
振り返らずにTさんが叫んだ
するとTさんの板が起こした無数の泡がボコボコと集まり浮き輪状に、
俺達もそれにつかまって陸までたどり着くことが出来た




「ありがとうございますTさん、でも何でここへ?」
そう聞いた俺にTさんは
「なぁに、この辺りは毎年水難事故が起こってるっていわく付きの海岸でな、
こんな事もあろうかとな・・・」
そういいながらYの胸に手をあて呪文を唱えるTさん、
するとYの口から汚れた水が吐き出されYは意識を取り戻した。





「きっと死者が死者を呼ぶ潮の流れなんだろうぜ、ここは・・・」
海岸線を見つめて呟くTさん
顔を赤くしながら
「あ、あんたなんかに助けてもらうくらいなら死ねばよかったわ!」
と大げさに言い放つYを見て
寺生まれはスゴイ、俺はまたもやそう思った。